loader image
Dilla Time

DILLA TIME


 そのうち出るだろうとは思っていたが、故J・ディラの生涯およびその死後を綴ったバイオグラフィが遂に刊行。タイトルは「ディラの時代」。いいですね。

 以下はAmazonに記載の商品概要をざっと翻訳したもの。


 21世紀のポピュラー音楽のサウンドを変えた天才音楽家、J・ディラの人生と遺産を描く、伝記、音楽学、文化史の要素を備えた一冊。


 彼はディアンジェロやエリカ・バドゥといった著名なアーティストと仕事をし、マイケル・ジャクソンやジャネット・ジャクソンといったスーパースターの音楽に影響を与えたにも関わらず、メインストリームの聴衆に知られていなかった。32歳の若さで亡くなり、生前はポップ・ヒットを出すことはなかった。しかし、彼の死後、J・ディラはロバート・グラスパーからケンドリック・ラマーのようなジャズ・ミュージシャンやラップのアイコンから崇められ、交響曲で追悼され、大学で教えられている神格的な存在となった。そして、その憧れの核となるのは、イノヴェーションである。彼がドラム・マシンで作り出した新しい音楽の時間感覚は、伝統的なミュージシャンの演奏方法を変えたのである。


 「Dilla Time」においてダン・チャナスは、デトロイトでの才能あふれる幼少期から、グラミー賞にノミネートされたヒップホップ・プロデューサーとしての成り上がり、そして早すぎる死をもたらした珍しい血液疾患まで、ジェームズ・デウィット・ヤンシーの人生を記録し、そして、彼と彼のアイディアを生かし続けた人々を追った。また彼は、ディラの本拠地「モータウン」でのソウルの誕生から、ファンク、テクノ、そしてディスコまで、アメリカのリズムの歴史を振り返る。ここでは、音楽とはアメリカの黒人文化の物語であり、人間と機械の時間が融合し、新しい何かを生み出すときの物語である。「Dilla Time」は、音楽ファンや初心者のために、それらのコンセプトを段階的に構築していくグラフィックによる視覚体験であり、独特で楽しい方法で、リズムを見て、感じることを教えてくれる、これまでとは異なるタイプの音楽に関する本である


 ディラのビートは、一見だらしないと驚かれることもあるが、実のところ完璧主義者であり、自らの音楽に精神的に傾倒していた人物による作品である。本書は、彼と彼の機材、家族、友人、パートナー、そして著名なコラボレーターたちの物語である。過去100年間で最も重要で影響力のある音楽家の一人について、150以上のインタヴューを元にした「Dilla Time」は、J・ディラの音楽そのものと同様に、細部にまでこだわったユニークな本である。


 ということで、副題の「THE HIP-HOP PRODUCER WHO REINVENTED RHYTHM(リズムを改革したヒップホップ・プロデューサー)」でも匂わせているように、ただのJ・ディラのバイオグラフィに留まらず、彼が起こしたリズム革命など、その音楽についても深く切り込んだ音楽評論の側面もあるようだ。実はたくさん出ているウータン関連のバイオグラフィや評論は全く邦訳されないが、流石にこれは日本でも大人気のJ・ディラなので、きっと日本語版も刊行されるのではないでしょうか。

 

「Dilla Time」の予約・購入はコチラから。